住宅ローンを払うことが困難になってきたときに検討される「任意売却」。

任意売却について全く知らなくてもここを読むことで実際に売ることが出来ます。

任意売却の基本的な知識や、メリットとデメリット。

最後には、任意売却の具体的な方法をご紹介します。

任意売却とは?わかりやすく解説!

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住宅ローンの返済が出来なくなった場合、不動産を売却して残ローンに充てる必要が出てきます。

簡単に言うと、「自分で不動産を売却する手法」のことを、「任意売却」と呼びます。

競売とは?わかりやすく解説!

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同じく不動産売却の手段のひとつです。

「裁判所主導で強制的に不動産を売却する手法」のことを、「競売」と呼びます。

どちらを選ぶべき?任意売却と競売の違いを徹底解説!

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任意売却と競売の違い

  • 違い①:強制力があるかどうか
  • 違い②:プライバシーがあるかどうか
  • 違い③:不動産がいくらで売れるか

1つずつ解説していきましょう。

違い①「強制力があるかどうか」

冒頭でも触れた通り、任意売却の場合は自分で不動産を売りに出します。

銀行などお金を貸してくれた債権者や、実際に不動産情報を市場に出す不動産業者の協力は不可欠ですが、自分の意志で行う、というのが肝ですね。

違い②「プライバシーがあるかどうか」

一方で競売は、本人の意思に関係なく強制的に行われます。

裁判所からの通知が届いたらすぐに不動産鑑定士などが出入りし、自宅の調査を始めます。

本人が拒否しても、まだまだ住むつもりであったとしても、問答無用で始まってしまいます。

ご近所の方にも分かりやすく、経済事情が筒抜けになってしまうリスクがありますね。

違い③「不動産がいくらで売れるか」

任意売却と競売とでは、同じ不動産でも売却金額の相場が異なります。

不動産を売るならなるべく高く買い取ってほしいですよね。

でも、どちらの売却手法を取るかによって、金額に大分差がついてしまうということもあり得るんです。

任意売却の4つのメリット

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任意売却の4つのメリット

  • メリット①:売る側の懐事情が近隣の人にバレない!
  • メリット②:競売よりも高く売れるケースが多い!
  • メリット③:ローンが残ってしまった場合、分割返済できる!
  • メリット④:売却代金を引っ越し代に充てることも可能!

こちらも1つずつ、詳しく解説していきましょう。

メリット①「売る側の懐事情が近隣の人にバレない」

任意売却の場合、通常の中古物件と同様の売り方をします。

そのため、「どうして物件を売却するのか」という理由までは買い手側に分からないのです。

競売の場合、物件情報が裁判所資料やインターネット上の競売サイトに掲載されます。

競売は強制的に行われるため、まだそこに人が住んでいたとしても内装写真などを撮影し、売りに出すために公開されてしまいます。

もし近所の方や親戚、職場にバレてしまったら、結構精神的なダメージがかかりますね…

それを避けるためにも、任意売却という手段を取ることは有効です!

メリット②「競売よりも高く売れるケースが多い」

競売にかけられると、市場での相場より圧倒的に低い価格で落札されることが大半です。

購入者は不動産業者であることが多く、投資や転売のために購入することがほとんど。

不動産業者は、安く仕入れて高く売る、を目標にしているので、買い叩かれてしまうのです。

つまり、手元に残るローンの金額もおのずと大きくなり、思った以上に負担が減らない、ということが想定されます。

一方で任意売却の場合、通常の中古物件と同様の売り方をするため、自分も納得の上で金額を決めることが可能です!

メリット③「ローンが残ってしまった場合、分割返済できる」

任意売却と競売どちらを選んでも、残りのローンを全部返済できるだけの金額にならなかった、というケースは少なくありません。

その場合、物件を手放したにも関わらずローンだけが手元に残ってしまいます。

基本的にこうした残債は一括で支払う必要がありますが、任意売却の場合、分割返済ができることも多いのです。

もちろん、銀行などお金を貸してくれた債権者との話し合いが必要ですが、無理のない金額で少しずつ返済していくことが可能になります。

競売の場合は、問答無用で一括返済を求められます。

支払えない場合は連帯保証人にも厳しい督促がされてしまうので、少額ずつでもご自身で返済をしていきたいと考える人は多いものです。

メリット④「売却代金を引っ越し代に充てることも可能」

無事に不動産が売れたとしても、次に住む場所を探さなければいけません。

引っ越しは思った以上にお金がかかるもの。

お住まいの地域や物件にもよりますが、新しい家の敷金礼金や保証料、引っ越し業者の手配などを考えると、数十万円は用意しておく必要があるでしょう。

任意売却の場合、売れた金額の一部(最高30万円まで)を引っ越し料金としていただくことが可能です。

これも同じく債権者との話し合いが必要ではありますが、一度相談してみるといいでしょう!

任意売却の2つのデメリット

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任意売却の2つのデメリット

  • デメリット①:債権者との話し合いが大変!
  • デメリット②:連帯保証人の同意が必要

次はデメリットについて解説していきます。

デメリット①「債権者との話し合いが大変」

任意売却は、債権者との話し合いの上で行われます。

売却予定の不動産が思った以上に安い金額しかつかなさそうな場合、債権者は任意売却をしたくないと思うこともあるのです。

万が一断られてしまった場合、不動産は競売にかけるしかありません。

もし任意売却を検討されている場合は、債権者にどう交渉するかがカギとなります。

デメリット②「連帯保証人の同意が必要」

任意売却する場合、連帯保証人にも必ず同意してもらう必要があります。

連帯保証人に知られたくない、相談しにくい、という悩みもありますよね。

特に、なかなか連絡の取れない遠方の親戚や、元配偶者が連帯保証人になっている場合は要注意です。

これを通らずに任意売却は出来ないので、連帯保証人にもしっかり説明するようにしましょう。

任意売却の6つの流れ

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では実際に、任意売却に至るまでの流れをステップ式で解説していきましょう。

任意売却の6つの流れ

  • ステップ①:住宅ローンの督促が届く
  • ステップ②:物件の査定
  • ステップ③:債権者と交渉
  • ステップ④:販売開始、購入者決定
  • ステップ⑤:債権者の同意を得る
  • ステップ⑥:売買契約し、新生活へ

ステップ①「住宅ローンの督促が届く」

任意売却を行う際は、ローンの滞納歴が必要です。

滞納せず支払える環境にある人が任意売却をすることは出来ない、ということですね。

督促状や、競売開始決定通知書など、自宅に届いた書類をまずは確認してみましょう。

ステップ②「物件の査定」

今の家が、市場でどれくらいの価値があり、どれくらいの価格がつきそうかを調べます。

不動産会社に依頼し、見積もってもらうケースが大半です。

ステップ③「債権者との交渉」

任意売却は、債権者の同意がないと手続きに踏み切ることができません。

不動産を売却して、どうにか残ローンに充てられる資金を作ります、と相談をしにいくということですね。

場合によっては、不動産会社が仲介に入ってくれることもあります。

ステップ④「販売開始、購入者決定」について。

無事債権者との交渉が出来た場合、早速不動産を売りに出します。

こちらの希望価格と相手の希望価格で折り合いをつけ、無事に買い手が決まったら次のステップへ進みます。

ここは一般の中古不動産売買とあまり変わりありません。

ステップ⑤「債権者の同意を得る」

最終的にいくらで不動産が売れるのか、残ローンにいくら充てられるのか、という具体的な金額の話をします。

それでもローンが残ってしまう場合、分割返済出来るのかという話もここですることが多いです。

ステップ⑥「売買契約し、新生活へ」

自分、債権者、購入者、全員の合意が取れたら契約を締結し、清算します。

新しい家に移り住む必要があるので、これらの作業をしながら新居を見つける必要もありますね。

引っ越しをし、新生活のスタートです!

やることが多く大変ですが、上手に専門家に相談しつつ、

納得のいく形で売却ができるといいですね!